こんにちは!天極堂プロスタッフです。
当店では、『冷凍よもぎ』『よもぎペースト』『至高のよもぎ』『粉末よもぎ』の計四種類のよもぎ関連商品を取り扱っております。これらの商品にはそれぞれ異なる特徴があります。前回の記事ではよもぎ蒸しパンを作り、実際料理材料として使用した際にそれぞれの特徴がどう影響するのかを検証しました。今回は異なる種類のよもぎ関連商品を使った場合の違いだけではなく、同じ商品でも分量が違えばどのような変化を及ぼすのか、という実験を行ないます。
各製品の特徴
まずは各製品の違いについてご説明いたします。
まず当店で取り扱っている四種類のよもぎ関連商品は、【冷凍タイプ】【粉末タイプ】に分類できます。
【冷凍タイプ】は『冷凍よもぎ』と『よもぎペースト』、『至高のよもぎ』と『粉末よもぎ』は【粉末タイプ】です。
【冷凍タイプ】は文字通りすりおろしたよもぎを冷凍にしたもので、『よもぎペースト』は『冷凍よもぎ』よりも更になめらかなのが特徴。
一方『至高のよもぎ』と『粉末よもぎ』の【粉末タイプ】は乾燥させたよもぎを余すことなく粉状に加工しており、『至高のよもぎ』の方が『粉末よもぎ』よりきめ細かく、『粉末よもぎ』の方が明るい緑色をしているのが特徴です。
実食
『粉末よもぎ』全体重量の0.5%、1%
草餅ブログ
左が0.5%、右が1%です。
粉末の粒が少し残り、くすんだ緑色に仕上がりました。『粉末よもぎ』を0.5%混ぜ込んで作った草餅はよもぎの味も香りもほとんどしませんでした。1%だと少しだけよもぎらしい香りが感じられましたが、それでもほのかに香る程度です。味については特段違いは感じられませんでした。
『至高のよもぎ』全体重量の0.5%、1%
草餅ブログ
0.5%、1%ともに濃くはっきりした発色です。粒が『粉末よもぎ』より細かいため、生地全体の色合いが均一になっています。
『至高のよもぎ』は0.5%でも口に入れるとふわっとよもぎの爽やかなにおいが香りました。1%はさらに強くよもぎの香りがしましたが、きつすぎず弱すぎずいい塩梅の香りでした!こちらも『粉末よもぎ』と同様、味に差異は感じられません。
『粉末よもぎ』と『至高のよもぎ』の比較
草餅ブログ
『粉末よもぎ』の1%よりも『至高のよもぎ』の0.5%の方が香りは強かったです。見た目・色味に関しては『粉末よもぎ』は少し粒が残りくすんだ緑、『至高のよもぎ』はより濃く均一な深緑。味についてはどれもほぼ同じだったので、香りを際立たせたい・濃い緑色を出したい、という方には『至高のよもぎ』がおすすめです。
『冷凍よもぎ』
草餅ブログ
全体的にみて、先ほどご紹介した『粉末よもぎ』『至高のよもぎ』よりも明るい発色になりました。10%、20%あたりの明るめの黄緑色が世間一般のよもぎのイメージに一番近いのではないでしょうか。
よもぎの香りは10%でもかなり強めで、20%も30%も同程度の香りでした。単純に量を増やせば香りも増す、ということではないようです。かなり強めとはいっても不快な香りではなく、一番草餅らしい爽やかな風味に仕上がっていました。

『冷凍よもぎ』については、餅生地が蒸しあがってからよもぎを混ぜて作る草餅に加え、餅生地に『冷凍よもぎ』を20%分混ぜ込んでから蒸しあげる草餅も作ってみました。よもぎの香りが弱まり、また味についても他のものより苦くなってしまったので、加熱調理には『よもぎペースト』『冷凍よもぎ』よりも『粉末よもぎ』『至高のよもぎ』の方が適しているようです。
『よもぎペースト』と『冷凍よもぎ』の比較
草餅ブログ
どちらも全体量に対して20%の割合ですが、『よもぎペースト』はかなり濃い緑色、『冷凍よもぎ』は明るい黄緑色になりました。
実際に食べてみると、『よもぎペースト』はよもぎの繊維が残って少し食べにくい印象…なめらかな舌触りに仕上げるにはすり鉢ですりつぶしたりミキサーにかけたりした方がよさそうですが、よもぎ感を出したいならこのままでもいいかもしれませんね。香りは『至高のよもぎ』1%より少し強い程度。
『冷凍よもぎ』は先ほどご紹介した通り香りが強く、『よもぎペースト』の草餅を食べたときに感じた繊維質も気になりませんでした。『冷凍よもぎ』より『よもぎペースト』の方がきめが細かくなるよう製造されているので、理論上なめらかになるのは『よもぎペースト』のはずなのですが…餅生地との混ぜ方に問題があったのでしょうか?
まとめ

よもぎペースト:『至高のよもぎ』『粉末よもぎ』より香りが強い。色味は『冷凍よもぎ』より濃いので、香り・色ともに濃い草餅を作りたいならおすすめ。『冷凍よもぎ』にはなかったよもぎの繊維が残る感じがあるので、よもぎの葉の食感を残したいならそのまま、なめらかな食感を楽しみたいならすり鉢などでさらにつぶしてから使うのがおすすめ。

冷凍よもぎ:香りが強く、発色も4つの内一番よもぎらしい。よもぎペーストと違い口の中に繊維が残る感じもなかったので、スタッフ間では一番高評価だった。強いて言うなら、使う前に水気をきらなければいけないのがやや不便。

粉末よもぎ:香りは他の3つに比べると弱く、色が若干まだら状に出る。『至高のよもぎ』ほどではないがこちらもきめが細かいので扱いやすく、用途も幅広い。

至高のよもぎ:色は一番濃く出るが、香りは『冷凍よもぎ』や『粉末よもぎ』ほど強くはない。一番きめが細かいので扱いやすく、様々な用途に応用可能。

という結果になりました。
もちろん分量や上新粉・餅粉の配分を変えればまた違った出来栄えになると思いますので、是非色んな組み合わせをお試しくださいね!