2020年7月放送の「奈良イチ研究所☆」で「葛の本」をご紹介いただきました
KCNファミリーチャンネル『奈良イチ研究所』
「奈良が一番」と思えるものならなんでも「奈良イチ」として取り上げる『奈良イチ研究所』。番組では、「奈良イチ」の凄さや魅力、込められた想いなどを研究員が県内を駆け回って調べます。
2020年7月の放送では天極堂の「葛の本」をご紹介いただきました。
毎週(火) 夜9時30分~
7/7、7/14、7/21、7/28も放送されます。
6月初旬、研究員の藤井さんが天極堂本社工場を訪ねてくれました。
天極堂は1870年の創業以来150年間、吉野本葛を作り続けています。
もともとはこの地域の方々の農閑期の仕事として葛作りがあり、天極堂では集荷仲買をしていました。
時代の流れと共に葛を作る人が少なくなりましたが、吉野本葛を作り続けなければならないという想いから工場を作り、本格的に吉野本葛の生産を始めました。
昔は風邪をひいたら葛湯、お腹が痛くなったら葛湯、奈良のお土産は葛湯というように、吉野本葛やそれを使った葛湯はなじみ深い物でした。
しかし、核家族化や洋風化によってライフスタイルが変わり、徐々に吉野本葛も知らない人が増えてきました。
そこで、奈良の、日本の素晴らしい食文化『葛粉』についてもっと知ってもらいたい、本物の葛を知って欲しいという想いから、『葛の本』を作りました。
今回の取材では、日本で初めての葛の実用書『葛の本』について、工場の様子も含めて取材いただきました。
これは『吉野晒』をしているところです。
天極堂では冬の間に掘り出した根をつぶして水中で澱粉をもみ出してとりだした粗葛を、大きな撹拌槽に入れ、攪拌と沈殿、水の入れ替えを繰り返して洗います。
お米を研ぐのと同じことですが、沈殿するのに時間がかかるため、1日に1回しか洗うことができません。だから、吉野晒はとても手間と時間のかかる作業です。
何度も何度も水を入れ替え、手間と時間をかけてきれいにしたら、船と呼ばれる細長い槽に入れて最後の沈殿。
水を抜いてブロック状に切り出したら、ピアノ線を使って石鹸くらいの大きさにカットし、パレットに並べて乾燥させます。
水分が16%未満になればできあがり。
葛粉は乾物なので常温で長期間保存することができました。
長い船旅にも耐えられるため、南極観測隊の御用乾物としても利用されました。
(これは余談ですが、今も日本各地で災害が起こりますし、そのたびに赤ちゃんや嚥下の難しい高齢の方、アレルギーのある方の食事に困ることがあります。そんな時、賞味期限にとらわれずに、葛粉や葛湯を買い置きしておけばきっと役に立つ!と私は思います。)
この『葛の本』は葛の実用書としていますが、植物としての葛や、歴史から見た葛、葛のレシピなど様々な角度から葛について紹介しています。
目次:
●葛を愛する人々の物語(葛と人生を歩んできた人々のストーリー)
●Let’s start a kudzu life(葛とは、吉野本葛の製造工程、葛のルーツ、葛の神話と歴史など)
●葛旅に出かけよう(葛が繋いできた人々とのつながりを辿り、新たな発見の旅に出た)
●葛と素敵なまちのこと(葛の伝道師が語り継ぐ、葛の食育プロジェクト)
●和のある暮らしと葛(健康のために愛されてきた葛をもう一度見直して美味しい和食を楽しむ)
●グランピング(本葛と食材を持参し、身も心も開放して外の空気を味わおう)
●ビンで楽しむ葛バリエ(ピクニックやホームパーティーに大活躍)
●みんなでシェアごはん(葛をフル活用すると忙しい日常でもあっという間に食卓が華やかに)
●お茶と楽しむ葛のお菓子(団欒はいつの時もどんな場所でも憩いのひととき)
【葛が何科の植物かご存じですか?】
美容や健康というと大豆イソフラボンを思い浮かべる人も多いと思いますが、葛もマメ科の植物なので、大豆と同じようにイソフラボンが含まれています。
イソフラボンの美容効果、健康効果はご承知のとおりです。
ゆらぎ世代の女性の健康と美容に「エクオール」が深くかかわっているということも今はよく知られていますが、1300年以上昔から日本人の食生活に取り入れられていた葛にもその効果があるというのは、なんとなくうなずけますよね。
【葛のお花を見たことがありますか?】
春に下向きに咲くのは藤の花。
秋に上向きに咲くのが葛の花です。
葛の花は秋の七草としても知られていて、昔からたくさんの詩歌に詠まれてきました。
漢方薬としての葛花は水戸黄門様の二日酔いの薬としても知られるところです。
私のおすすめは胡麻豆腐。
胡麻豆腐はスーパーでも売られていて、家で作る方は少ないように思います。
天極堂でもカップに入った胡麻豆腐を販売しており、人気商品の一つです。
でも、胡麻豆腐はカップに入っているものと自分で作る作り立てとでは、全く別のものではないかと思うくらい美味しさが違います!
胡麻豆腐は私が結婚したばかりのときにお姑さんに褒めていただいた料理でもあります。
作り立ての胡麻豆腐はもっちり、ぷるっぷるで、なんともいえないなめらかさ。どうしてこんなにおいしいものを作らなくなってしまったのか本当に不思議で仕方ありません。
胡麻豆腐は葛粉と練り胡麻と水を鍋に入れて練るだけ。
難しい材料もなければ、難しい作り方でもありません。
ただ何となく、生活習慣から省かれてしまっただけなのです。
一度自分で作ると、絶対にお店で買おうと思わなくなるほど簡単で美味しい胡麻豆腐。
私とお姑さんの仲を取り持ってくれた胡麻豆腐。
だから、「嫁入り前に、胡麻豆腐。」
ぜひ作り方を覚えて、伝承していただきたい一品です。
(胡麻豆腐の作り方は「葛の本」p97に掲載しています。)
吉野本葛のすごいところはいろいろありますが、一つは「癒しのチカラ」です。
1300年も昔から葛は薬草として修験者や人々の暮らしを支えてきました。
漢方薬「葛根湯」として、また滋養食「葛湯」として、たくさんの人を癒し続ける葛のチカラは本当にスゴイと思います。
イソフラボンをはじめとした薬効成分はもちろんですが、葛粉を使った料理やお菓子の、独特のとろみやなめらかさのような食感によっても癒されるような気もします。
私が好きなのはこのページ。
こんなに素敵な、おしゃれな料理が実は手軽にできるなんて、驚きですよね!
葛粉を使えば毎日の食事はもっと華やかで、おいしくて、時短できるんです。
それに、葛粉はグラデーションのように食感を変えることができるのも特徴の一つで、粉に対する水の量によっても自由自在に硬さを変えることができます。
とろり、さらり、ふっくら、つるん、ふんわり、ぷるり、もっちり…
今日は葛でどんな料理を作ろうか、毎日ワクワクします。
尽きることのないアイデア料理の数々。
ぜひ葛の本で楽しくお料理していただきたいです。
そして、もっともっと葛のこと、葛粉のことを好きになってもらいたいです。
最終的には「奈良の人ってみんなきれいだよね?」「ああ、奈良の人はみんな吉野本葛を食べてるからだよ。」みたいな感じになるとうれしいです。
奈良イチ研究所に戻った藤井さんは、所長さんに葛粉を使ったホワイトソースを教えてくださったようです。
さてさて、上手にできるのでしょうか!?
用意したのは葛粉、牛乳、バター、塩、胡椒。
お鍋に入れて混ぜるだけ。
わずか5分で失敗しない、簡単ホワイトソースの出来上がり!!!
今回はマカロニグラタンに仕上げていただきましたが、これさえ覚えておけばクリームパスタにしたり、クリームコロッケを作ったりと家族の喜ぶメニューが作り放題です。
もちろん牛乳アレルギーの方は豆乳に置き換えが可能ですし、市販のルーを使うより体に優しい食事を簡単に作ることができます。
番組では3名の方に『葛の本』をプレゼントしてくださいますので、ぜひぜひご応募してください。
また、プレゼントが当たるのを待ってられないという方は、県内の書店や天極堂の各店舗、オンラインでも販売しておりますので、ぜひ手に取ってみてください!
葛の本取扱店舗
・喜久屋書店(橿原店、大和郡山店、JR奈良駅店)
・ジュンク堂書店(奈良店、難波店)
・丸善&ジュンク堂書店梅田店 他、全国主要書店
・Amazon 他、ネット書店
・天極堂全店舗
こんなに長い時間吉野本葛についてご紹介いただいた番組はありません!
本当に取材に来てくださったKCN様、ありがとうございました。
また、ここまでお読みいただいた皆様、ありがとうございました。
『葛の本』は本当にどこにも売ってないような、葛づくしの1冊になっています。
葛に興味のない方も読めば絶対葛が好きになる。
そんな本に仕上がっていると思います。
奈良県は1家に1冊『葛の本』
そんな日を夢見ておりますので、ぜひ読んでみてください!