山野辺の道を歩こう(三輪~天理)
2024年10月26日、山野辺の道を歩きました
周囲を山に囲まれた奈良盆地ですが、その東に連なる山裾に桜井から奈良へと通じる道があります。それが「山の辺の道」です。
昔ながらの地名や伝説が残り、数多くの史跡を見ることができます。
歴史好きの方はもちろん興味のあるところが多いと思いますが、単に自然が好きだという方や、のんびりしたい人にもおすすめ。また、地道も多いですが、本格的な山登りではありませんし、途中で疲れたらバスや電車で戻ることもできるので、お子様連れや、平日はデスクワークで運動不足だという方にも歩きやすいと思います。
この日はJR三輪駅からJR天理駅までの13.2㎞の道のりを、約7時間かけてのんびりと歩きました。
朝8時。JR三輪駅に到着です。
奈良県にあるJR桜井線(万葉まほろば線)の駅で、大神神社の最寄り駅になります。
ノスタルジックな木製の駅舎と大きな木が出迎えてくれます。
駅からは案内に従って大神神社を目指します。
(大神神社のシンボルともいえる黒くて大きな鳥居を見たい方は大神神社と反対の方向に歩かないといけません。)
大神神社は「大神」と書いて「おおみわ」と読みます。
本殿はなく、拝殿の奥にある三ツ鳥居を通して三輪山を拝するという原初の神祀りの様を伝える我が国最古の神社だそうです。
三輪山は古来から大物主大神が鎮しずまる神の山として信仰され、『古事記』や『日本書紀』にも記されています。
高さ467メートル、周囲16キロメートル、面積350ヘクタールのお山は神霊鎮まる岩が点在し、磐座と呼ばれて信仰の対象となっています。
大神神社を見るだけでも半日はかかりそうなほど広く、見どころも多いのですが、今回のメインは山野辺の道であるため、くすり道を通り、久延彦神社と狭井神社に寄って玄賓庵と檜原神社を目指します。
途中に古民家を改装したカフェ「BRIGHTON TEA ROOM Cottage」を発見し、ちょっと寄り道。
アフタヌーンティーは要予約ですが、それ以外のスイーツや軽食、おいしいイングリッシュティーはいつでもいただけます。
私たちはスコーンと紅茶をいただきました。
山野辺の道は地道もありますが、基本的には道路なので歩きやすいです。
道沿いにはずっと「山野辺の道」という案内板があるので迷うこともありません。
ところどころに無人販売所があり、この日は柿、みかん、ゆず、すだち、なす、大福などなど、いろんなものが売られています。
行違う人と、どこら辺の販売所が良かったとか、何を買ったとか情報交換をするのもまた楽しみの一つです。
1カ所、たくさんの人が集まってマルシェをしているところがありました。
採れたて野菜だけではなく、小物なども販売していて、私は迷わずローゼルを購入!
ミカンや柿のイメージはありますが、山野辺の道でローゼルと出会えるとは思いませんでした。
寄り道ばかりしているので、予定時間を大幅に超えてトレイルセンターに到着。
ゆっくり休憩できるので、ここでお弁当を食べることもできますが、トレイルセンターではお弁当を販売していたり、レストランもあります。
私たちはレストラン「洋食Katsui」を利用し、贅沢ランチを満喫しました。
満腹になったら再び天理を目指します。
柿畑やみかん畑を通っていくと、またまたマルシェに遭遇。
この日はたまたま奈良県立大学とかよ柿出荷組合の「KAKIわすれんとね」というイベントが開催されていて、焼き柿、かよの夕日パフェ、柿春巻きと採れたての柿を販売していました。
山野辺の道について深く知って欲しい、山野辺の道の魅力に気づいて欲しい、山野辺の道の魅力を発信したいという思いで開催されていたようですが、奈良の農業の高齢化は深刻なので、学生さんたちも一緒に地域を盛り上げているのはとてもいいなと思いました。
山野辺の道は山の稜線に沿っているものの、やや高い位置にあるので、遠くに大和三山(畝傍山、耳成山、天の香久山)や二上山を眺められるスポットがあります。野草を見たり、鳥の声を聴きながら景色を楽しみ、畑仕事をしているお父さんや休憩しているお姉さんなどいろんな人とお話をしながら長岳寺、念仏寺、禽田陵、環濠集落、夜都歌伎、内山永久寺跡と歩き、ついに石上神宮です。
石上神宮は、日本最古の神社の一つで、武門の棟梁たる物部氏の総氏神として古代信仰の中でも特に異彩を放ち、健康長寿・病気平癒・除災招福・百事成就の守護神として信仰されてきました。主祭神は布都御魂大神で、武甕雷神が持っていた剣です。
到着して一番に出迎えてくれたのはニワトリ。ニワトリは『古事記』『日本書紀』に登場し、暁に時を告げる鳥として神聖視され、神様のお使いともされているそうです。
山野辺の道は本殿の前につながっているので、参拝後は大鳥居をくぐって天理駅を目指します。
ここからの30分は自然が好きな方には少し退屈かもしれませんが、街中を抜け、長い長い商店街を歩いて午後3時、天理駅に到着です。
運動不足解消にはちょうど良い距離・時間ですが、もっとゆっくり参拝したいところもありましたので、次回来る時は参拝する場所を2カ所ほど決めて、季節ごとに歩いてみるのもいいなと思いました。
山野辺の道の近くの天極堂の店舗
【飛鳥彩瑠璃の丘天極堂テラス】
所在地:〒633-0045 奈良県桜井市山田692
電話番号:0744-46-5566
営業時間:10:00~18:00(L.O.17:00)
定休日:月曜日(祝日の場合翌日)
アクセス:山野辺の道の出発点である「大神神社」から車で約20分
近くの観光名所:石舞台古墳、飛鳥寺、橘寺、飛鳥資料館、キトラ古墳など