このイベントの参加は、2021年春に三木食品の近藤専務が天極堂の「葛乳酸菌豆乳ヨーグルト種菌セット」に興味を持っていただいたところから始まります。

三木食品では奈良県産、しかも、奈良の在来種である幻の大豆『大和大鉄砲大豆』を復活させ、おいしい豆腐を全国に発信されています。その中で、同じ奈良の伝統産業である吉野本葛の製造元である天極堂が奈良県と一緒に開発をした葛由来乳酸菌とコラボすれば、全部が奈良県産の素晴らしいヨーグルトができる！！！ということでお声がけをいただきました。

三木食品さんと鎌田ファームさんでのこの播種会は今年で5年目だそうです。年々参加希望者が増えている中、私たち天極堂も仲間に入れていただいて本当にありがたいです。今年はお天気以上にコロナのことが気になるところで、太陽が降り注ぐ中、熱中症には十分注意しながらも、マスク着用、距離を取りながらの作業となりました。（写真の時だけマスクを外しています）

近藤専務が瓶に入れた4種類の大豆を見せてくれました。
こうやって見比べてみると、いかに大和大鉄砲大豆が大きいかがよくわかります。

大きいだけでなく、甘みが強くておいしいのもこの大豆の特徴。
私も豆乳、豆腐、いろいろ食べさせていただきましたが、食べ比べてみると他の豆腐との違いがよくわかります。参加者でレストランをされている女性は「大和大鉄砲大豆の豆腐を食べたら、他の豆腐は食べられなくなる。」と話していましたが、本当にそうだと思います。

また、別のお料理屋さんをされている参加者さんは「豆乳をすり流し（和風のスープ）に使ってるけど、本当においしい」とやっぱり高評価！

もともとは豆乳を使う習慣がなかった私も、お味噌汁に豆乳を足してポタージュ風にしてみたり、ヨーグルトでチーズケーキを焼いたりと、すっかりはまっています。

もともとは地元農家さんが「お味噌にするとおいしい」と、先祖代々種を受け継ぎ自家採取されている在来大豆でですが、次第に作る人が減り、農業の高齢化や、作業効率や生産性が重視されるなど時代の流れとともに消滅の一途を辿っている、まさに幻の大豆です。こういう大豆があることも、こういう活動をされていることも今回初めて知りました。そして、自分で食べて、自分で体験して、もっともっと大和大鉄砲大豆の素晴らしさを多くの方に知って欲しいなと思いました。

話は播種に戻ります。

大和大鉄砲大豆の畑は100反（1000a ）あるそうで、そのうちの4反を今日播種しました。

播種に使うのは「ごんべえ」という器具。小学校の時に運動場に白線をひく道具によく似ています。箱に豆を入れ、押すとベルトが回ります。ベルトには穴が二つ空いていてそこに豆が入って送られます。前の車輪で豆をまく場所を少し沈め、豆2粒が落ちたら、後輪で土をかぶせる（押す？）ような仕組みになっています。

でも、運動場に白線をひくのと決定的な違いがありました。

畑は耕されているので土がふかふかなんです。

日常あまり運動をしない私は、畑の端から端まで歩くだけで体力を消耗してしまいます。そのうえ「ごんべえ」を押して歩くとなると、片道1回だけで腕も腰も重だるくなってしまいました。

これをまっすぐ、何度も何度も往復します。ごんべえを押す人。出てしまった豆に土をかぶせるのと、補充する豆を持つ人。みんなで協力しながらグループで作業しました。9時から12時までたった3時間でしたが、本当に良い経験になりました。

畑の単位もわかっていなかった私ですが、1反って本当に広いです。100反の想像ができません。私も食に関わる一人として、フードアクティビストとして、自分にできることから少しづつという気持ちがあります。だから家ではお庭に季節の野菜を植えたり、ハーブを育てて毎日の食事に活用するようにしています。そうやって土とのかかわりを子供たちにも伝えたいと思っています。でも、本格的な畑で作業したことなんて生まれて初めてで、「こうやって畑を耕して種をまいて肥やしをやって毎日育て、収穫までをしてくれる人がいるから、私たちが今日もおいしい食事をとることができる」ということが、今回イベントに参加させてもらってよくわかりました。

今回は体験イベントを兼ねているので「ごんべえ」を使いましたが、本来は専用の車があります。鎌田ファームの会長さんが乗っているのが種を蒔くための車です。

今日の播種会をさせていただき、三木食品さん、鎌田ファームさんには感謝の気持ちでいっぱいです。（写真は鎌田ファームの会長さんです。私たちが帰った後、午後からも、豆を蒔いた圃場にドローンで肥料をまき、ジャガイモ(普賢丸)の収穫をされたそうです。本当に頭が下がります。）

こんな素晴らしい体験をさせていただいたので、三木食品さんとコラボ商品、しっかりとアピールしていきたいとさらに思いが強くなりました。私たちが蒔かせてもらった大豆が豆乳になるのは来年ですが、今から成長が楽しみです。