「室生山上公園芸術の森」へ行きました
こんにちは。井上天極堂の木村と申します。
今回は、奈良県宇陀市にある室生山上芸術の森へ行ってきました。
この施設は、村出身の彫刻家井上武吉氏によって着想された「山の上のモニュメント構想」が彫刻家ダニ・カラヴァン氏によって実現され、室生の精神風土に根差した心の拠りどころとなる癒しの空間を創出しています。「自然を使って第2の自然を作る」ことをコンセプトに、昔の生活の足跡、棚田や森といった要素をできる限り再現し、人々にとって懐かしい原風景を象徴的に表現しています。
※ダニ・カラヴァン(1930〜)
都市や砂漠などの周辺の環境も作品に取り入れるという壮大なスケールの野外作品で知られる彫刻家。この施設の完成までに延べ16回に渡って室生を訪問。
まず、施設棟で入場券を購入し、中へ入ります。
※観覧料大人410円/高校生200円/中学生以下無料
施設棟にはこれから見るモニュメントの写真が飾られています。
施設棟を抜けると森の中に開けた空間がありモニュメントが並んでいます。
波型の土盛
並木の奥に井戸があります。遊歩道の幅は、主園路部分では広く井戸に近づくにつれて狭くなっていきますが、井戸の方から振り返ると並木の線が平行に見える遠近法による目の錯覚を利用した作品だそうです。目の錯覚を体験することなく帰ってしまいましたが、この遊歩道も作品の1つだったようですね。
螺旋の竹林
らせん状の竹林を壁伝いにぐるぐる回りながら進むと、トンネル状の通路が伸びており、徐々に地上へ戻ります。開かれた空間から閉じられた空間、地上と地下、明と暗という対比を現した作品です。
螺旋の水路
渦巻き状に水の流れる浅い水路です。水路の途中には日時計となる鋼性の棒が立っています。「芸術の森」で検索すると写真がよく出てくる印象的なモニュメント。私もこのモニュメントの写真を見て、この施設に興味を持ちました。
第2の湖・天文の塔・太陽の道
奈良から伊勢に続く重要な神社仏閣等をつなぎ、古代の太陽信仰にもつながっているのではといわれる北緯34度32分の「太陽の道」を視覚化して、この場所を歴史的な軸線上に結びつけ位置付けしようとしているそうです。
棚田
住民が耕作をしていた棚田をそのまま土地の持つ記憶として残しているそうです。
第2の島
遊歩道
くさび形のピラミッド状の四阿を設置し、休憩や瞑想をしたり、第1の島に集まる鳥を観察する施設だそうです。肝心の第1の島を見逃してしまいました。どこにあったのでしょうか。。。
奥にももう1つ遊歩道があります。こちらはモニュメントではなさそうですが、波形の土盛に比べ比較的長く続く道で、先ほどまでの洗練された空間とは違い、純粋に森の中を歩いている気分を味わえます。もちろんこちらもきちんと整備されています。木質チップと樹脂材で舗装されており、独特の質感があります。まるでクッションの上を歩いているような不思議な道です。
帰り際に気になるポールを発見。
パンフレットには「茶の木の迷路(計画地)」とあります。新しいモニュメントが建てられる予定のようですね。気になるので、完成後にもう一度訪れたいと思います。
パンフレットには遊歩道から始まり、波形の土盛で終わる順番の案内図が記載されていたため、どうやら私は逆ルートでまわったようです。
私は映える写真を撮るべく人がいなくなる隙を狙って何度もシャッターを切り、歩き回って自然を体感し、芸術の森を満喫したつもりでしたが、今ブログを書きながらパンフレットに目を通し、一つ一つのモニュメントの意味や楽しみ方が書いてあることに気付きました。アートの部分を味わい損ねたことを後悔。。。足を運ぶ際はぜひパンフレットも読みながら楽しんでいただければと思います!