【吉野本葛】葛粉は日本のスーパーフード


葛粉は昔から滋養食として知られています。
病気の時に葛湯を飲んだ思い出がある人もいるのではないでしょうか?
今ではイソフラボンが含まれていることなどから美容によいと考えられ、グルテンフリー、マクロビオテック、オーガニックなど

食にこだわりのある方々から高い評価をいただいています。
でも、何も知らない人が葛粉を貰ったりするとお安いものではないからこそどうやって使うか悩んだ挙句、台所の隅の方に追いやってしまい、

気付いた時には賞味期限切れという方も多いようです。
それは、とてももったいないことなのです。
葛粉はそれ自体に色や香りがあるわけではありませんから、和食や和菓子だけでなく、様々なお料理やお菓子を作ることができます。
また、水の割合を替えるだけで何通りもの食感を出すことができるので、アレンジは無限大です。
コツさえつかめば楽しく、美味しく、美しくなれる葛料理をお楽しみいただけます。

【固形】ご飯と一緒に炊く


葛粉は毎日食べ続けると「基礎体温が上がった」というお声をいただきました。
元々葛根には血の巡りをよくする効果があるので、葛粉を食べ続けることで基礎体温が上がったのかもしれません。

基礎体温が上がると免疫力もアップします。
また、別の方からは葛粉は毎日食べ続けると「骨密度が上がった」というお声をいただきました。
葛に含まれるイソフラボンは女性ホルモンに似ているので、骨密度を改善する効果があるのでしょう。
葛を毎日食べ続けると、体に嬉しい効果がたくさんありそうですね。
そこで、毎日葛を食べ続けたいという方に一番おすすめなのは、「ご飯に混ぜる」方法です。
お米を研いで分量の水を入れ、給水します。
いつも通り炊飯器にセットするのですが、炊く直前に葛粉をスプーン1杯入れてさっとかき混ぜ、炊飯ボタンを押します。
それだけです。
いつもの食生活+少量の葛粉なので、なんの工夫もなく食べ続けることができます。
特にご飯が美味しくなるというわけではありませんが、葛粉を入れたからといって粘りが出たり冷ご飯にしたとき固くなったりというデメリットもなく、

とにかく毎日葛を食べたいという方におすすめの食べ方です。
分量はハッキリとは決まっていませんが、2~3合に対して大匙1杯ぐらいが適量です。
パンやホットケーキ、ケーキに入れる場合は5~10%なら小麦粉との置き換えが可能ですが、葛粉にはグルテンが含まれていないので食感が変わり、

多く置き換えてしまうと作れない場合があります。

【粉末】葛たたき・ケーキ


葛たたきは、食材の表面に粉末にした葛粉を薄くまぶし、さっと湯がく調理法です。
葛打ちともいい、肉の鍋料理、サラダ、お吸い物に使えます。食材がつるんとした食感に仕上がります。
うまみを閉じ込めてくれるので、風味が一段と引き立ち、しなやかな一品を演出できます。
写真は骨切りした鱧を葛打ちし椀物に仕上げていますが、鶏のささみや牡蠣でもおいしくいただけます。
ご家庭ではしゃぶしゃぶをするときに豚肉にまぶしてあげると、ワンランク上のお鍋を楽しむことができます。
また、粉末は小麦粉の代わりに使ってグルテンフリーのケーキを焼くこともできます。
簡単なのは、スフレチーズケーキやガトーショコラ、クレープももちもちとした食感になり美味しいです。
慣れてくればシフォンケーキなら100%置き換えが可能です。
ただし先程も言ったように、小麦粉の様にグルテンがないので沈みやすく空気を抱え込む力もないため、

スポンジケーキやパウンドケーキの小麦粉をそのまま葛粉に置き換えると失敗してしまいます。
しっかりと膨らませるお菓子は小麦粉の1割程度を葛粉に置き換えることから試してみてください。

【1.8~3倍】葛切り


基本的に葛粉を使うときは水に溶いて使います。
あらかじめ溶いておくと、使う頃には下に沈殿してしまうため、使う直前にもう一度混ぜ直す必要があります。
葛粉に対する水の量によって自由自在に硬さを替えることができるので、比率毎に作れるレシピを紹介します。
水の量が一番少ないのが葛きりです。
葛きりというと細長い竹筒の中に入っていて、それを押し出して食べる和菓子を思い浮かべる方もいますが、

それは寒天で作ったところてんのようなもので、本当の意味での葛切りではありません。
本物の葛切りは、まず葛粉とそれの2倍の量の水を入れてよくかき混ぜ葛液を作ります。
大きなお鍋にたっぷりの湯を沸かしておいた上に、葛液を3~4mmの暑さに流し缶に入れた状態で湯煎にかけます。
しばらくすると水分が蒸発するので、そのまま熱湯にくぐらせると一気に透明になるので、流し缶を引き上げて流水の中で葛をはがしてあげると、

とてもきれいに透明の葛のシートができます。
それを三つ折りにして切ってあげると、葛切りができるので、黒蜜をつけていただきます。
葛きりの賞味期限は10分、時間の経過と共に白く硬くなっていくので、ぜひ作り立てを味わってほしいです。

【4~6倍】葛餅、葛まんじゅう


葛粉に対して4~6倍の水を使うと、葛餅や葛まんじゅうができます。
お鍋に葛粉、砂糖、水を入れて葛粉をよく溶かしたら、強火にかけて絶えず混ぜながら加熱します。
鍋底から透明の塊ができてくるので、焦がさないように底から混ぜます。
ぷつぷつと沸いて、全体が透明になって、粘りが出たら完成。
葛餅の場合はそのまま容器に入れて水で冷やし、きな粉と黒蜜をつけてできあがり。
葛まんじゅうの場合はラップの上に少量の葛餅を乗せ、その上に丸めておいた餡を乗せ、最後にたっぷりと葛餅をかけてあんこを包んだら、

ラップを茶巾に絞って輪ゴムで止め、水で冷やせば出来上がりです。
あんこのバリエーションが色々と楽しめるので、作っていて一番楽しいです。
葛餅も、砂糖の代わりにジャムを入れてみたり、抹茶を加えてみたりとアレンジができますし、

葛まんじゅうも生チョコを包んで仕上げにココアを振ればトリュフ風のまんじゅうができます。
いろいろ自分流で楽しんでみてください。

【8~10倍】胡麻豆腐、葛ぷりん


葛粉に対して8~10倍の水を使うと、胡麻豆腐や葛ぷりんができます。
胡麻豆腐は精進料理として有名で、和歌山県の高野山や福井県の永平寺が有名です。
お寺での食事や、お土産に買う。もしくは、スーパーで売られているものを買うという人が多いのですが、

胡麻豆腐は絶対に自分で作るのが一番おいしいです。
パッと見「難しい」や「作れない」と感じるかもしれませんが、ぜひ試してほしいです。
お鍋に葛粉、練り胡麻、水を入れて葛粉をよくとかしたら、強火にかけて絶えず混ぜながら加熱します。
鍋底から透明の塊ができてくるので、焦がさないように底から混ぜます。
ぷつぷつと沸いて、粘りが出たら、火を弱めて10分ほど混ぜ続けたら火を止めます。
小さい器に入れるかラップで茶巾に絞り、水で冷やせば出来上がりです。
胡麻以外に、ペースト状にした野菜を入れてもまた違った風味で美味しいです。
葛餅の作り方で水の代わりに豆乳や牛乳を入れると、葛のプリンが作れます。
普通のプリンの様に蒸したり焼いたりしなくてよいので、手軽に作れます。
ぷるぷるしていて食感が楽しく、お子様のおやつにおすすめです。
葛餅の水の分量のままで豆乳や牛乳を入れると固くなりすぎるので、8~10倍で作るのがおすすめです。
もっと牛乳の量を増やせば、ブラマンジェのような滑らかなデザートも作れますので、ぜひお気に入りの配合を見つけてください。

【8~10倍】トマトソース、ホワイトソース


葛粉は和食や和菓子のイメージがありますが、ホワイトソースも作れます。
ホワイトソースというと、少し時間がかかるお料理で、ルーや缶詰を使ってしまうことが多いと思いますが、

葛粉を使えばホワイトソースもとても簡単に作ることができます。
作り方は、お鍋に葛粉と牛乳を入れて加熱しながら混ぜるだけ。
バターやブイヨンを少し入れてもよく、作りたいお料理に合わせてアレンジできます。
ホワイトソースが簡単なので、グラタンやクリームコロッケも手軽に作れます。
もちろん、牛乳の代わりにトマトジュースを使えば、トマトソースになるので、
パスタもお手の物です。

【15倍~】葛湯


葛粉に15倍ほどの水を入れて加熱すると葛湯になります。
風邪をひいたときに飲むイメージがありますが、自分ですりおろした生姜を入れた葛湯は粉末のものとはまた一味違います。
コーヒーや紅茶で作ったり、赤ワインやフルーツ、ハーブを加えておしゃれなホットワインにしたり、アレンジ次第でいろいろな葛湯を作ることができます。
誰にでも年に数回は調子の悪い日がありますよね。そんな時葛湯を飲むと、本当に癒されるので、葛湯の作り方はぜひマスターしてほしいです。

【15倍~】あんかけ


砂糖を入れて甘くすると葛湯になりますが、同じような分量であんかけ料理にもなります。
ただ、具材の量によってとろみ加減が変わってくるので、決まった分量の葛粉と水を入れてしまうよりも、具材は炊いておいて、

仕上げに水溶き葛粉を加える方法がおすすめです。
葛粉に2倍量の水を入れておき、よく溶かしてから具材の入ったお鍋に加え、一煮立ちして全体に透明感とつやが出れば出来上がりです。
多すぎる水溶き葛粉を入れてしまった場合、とろみを薄めるためには水を足さなければならないので味が薄くなり、味付けもやり直しになってしまいます。
なので加減に慣れるまでは、最初は少なめに入れ、様子を見て水溶き葛粉を追加し、とろみが足りなければ足しましょう。
和風あんかけや中華あんかけはもちろんですが、カレー粉を入れればカレーを作ることができます。
市販のカレールーを使うよりも添加物や油分が減らせるので、ヘルシーなカレーになります。
カレーうどんを作る時の要領だと思ってもらえればわかりやすいかもしれません。

葛のアレンジは無限大!


葛粉を使うのはとても簡単。
とりあえず水で溶き、加熱をすれば何にでも使えるということが伝わりましたか?
葛粉を使えばお料理もお菓子もとっても手軽に楽しめます。
初めは月に一回、特別なお料理に、そしてそれが1週間に1回になって、いつかぜひ毎日の食事に葛粉を取り入れていただけたらうれしいです。
体にいい葛粉なので、きっと皆様の美容と健康にお役に立つと思います。
「ちょっと言われたぐらいでは作れない」という方でも、葛粉をお買い上げの方にはミニレシピブックをつけているので、

いろいろなメニューを楽しんでください。
また、皆様にご覧いただいた「葛の本」には73もの豊富なレシピが掲載されていますので、もしよければ葛粉と合わせてご購入ください。