2025年2月28日~3月1日に社員旅行で石川県に行きました。
【1日目:堤亭で昼食、宝達葛会館見学、加賀藩十村役喜多家見学、山代温泉瑠璃光】
2/28~3/1に、復興応援の意味も込めて石川県に研修旅行に行ってきました。
まずはじめに訪れたのは「宝達葛会館」です。
天極堂も155年に渡って葛粉を製造していますし、それはもともと地域(南葛城郡葛村)の方々が葛粉を作っていたことに始まりますが、石川県宝達志水町でも昔から葛粉が作られてきました。時代の流れの中で一時期は製造が途絶えましたが、有志4名で「宝達葛生産友の会」を立ち上げ、この会館を作ったこともあり、今も活動を続けているということでお話を伺うことができました。
天正12年、宝達金山があった時代に坑夫が葛の根を掘っていたので、葛粉製造の始まりと金山の始まりと同じころの話です。まだ医者が十分にいない時代、自分の体は自分で治す時代でした。だから滋養強壮のためにも葛粉はとても貴重なもので、坑夫自ら葛粉を作っていました。そうして幕末に孫三郎が葛御用人に任命され、本格的に葛粉が生産されるようになりました。
宝達山の高さは637メートル(スカイツリー+3メートル)。もともと宝達山の富山側に50件程の集落がありましたが、金山が見つかり、前田利長の時代に坑夫が集まってきました。だから苗字が秋田とか近江とかあとは谷がつく苗字が多かったそうです。そして金の採掘をするために作られたのが宝達集落。420年前には最大で130件、400人の堀子がいました。しかし、金が取れたのは80年くらいで、その後の収入は炭焼、石灰、薬草(黄蓮)、土木工事などになりましたが、葛粉作りも産業として残りました。
葛粉製造の最盛期は明治から大正にかけて。70件程が葛粉を作っていましたが、今は宝達葛生産友の会男性4名が葛粉を作り、葛葉会の女性4名がその葛を使って葛湯を生産ています。
次に訪れたのは、加賀藩十村役の喜多家です。
喜多家は平成17年に寄附を受け、宝達志水町で保存管理、公開を行っており、今回は子孫の方に案内していただきました。
十村役とは、豪農(庄屋)に十の村の代官所の役を与えた家のことで、一向一揆の監視や徴税を円滑に行うようにと加賀藩が独自に定めたものだそうです。
2300石余りを有し、まさに武家屋敷ですが、目をつけられないようにと道から見えにくいように門よりも土地を下げて家屋を立てるなどの特徴があります。
茅葺の重厚な門構えを残す喜多家表門をくぐれば主屋が見えます。家屋は十村屋敷の特長をよく残しており、屋敷入口は三ヶ所あります。藩主(お殿様)専用、武士用、百姓用と身分によって入り口が違いました。
入り口だけではなく、部屋の作りや屋根の高さ、軒を分けるなど随所に身分による違いがみられ、江戸という時代に思いを馳せることができます。
百姓が会合をした部屋は間者が潜めないように屋根裏をなくしていたり、お殿様専用の部屋には見張りができる用の隠し扉があってその裏が小部屋になっているなど見どころがいっぱいです。
工程の都合で到着が遅れてしまったのですが、本家ゆかりのガイドさんによる説明は、歴史や生活文化について詳しく学べるだけでなく、もっと聞きたくなるような面白い語り口で、本当は後2時間くらいいたかったです。また、敷地内には資料館もあり、江戸時代の貴重な工芸品や文化財を拝見することもできました。
そして山代温泉の瑠璃光に到着。
おいしいお食事をいただき、天極堂恒例の宴会をさせていただきました。
それぞれ持ちネタがあったり、若手社員が練習して歌とダンスを披露してくれたりと、今年も楽しませていただきました。
【2日目:橋立漁港で買い物、ゆのくにの森で昼食と九谷焼絵付け体験、石川県観光物産館で和菓子作り体験、兼六園】
山代温泉は約1300年前に行基が霊峰白山へ修行に向かう途中、一匹の烏が羽の傷を癒している水たまりを見つけたのが今に受け継がれているといわれています。
昨日はゆっくりと散策することができなかったので、早起きしてまずは温泉、そして近くを歩いてみました。小さな神社があったり、雑貨屋さんがあったり。九谷焼の窯元もあるので、次来る時はゆっくりと歩いて回りたいと思います。
面白いなと思ったのが「女生水」と「男生水」。ここは水道が整備される前まで利用された水くみ場(水源)で、この温泉水を飲み水や炊事などに利用していたようです。男性用と女性用に分かれていたのですね。
朝から訪れたのは「橋立漁港」。おいしそうな海の幸がたくさんならんでいました。カニや干物がたくさんで、保冷材も入れてくれますがたくさん買って送ってもらっているスタッフも。
お買い物の後は漁港を散歩。みんなで並んで撮ってもらったこの一枚が私のお気に入りです。
次に訪れた「ゆのくにの森」では食後に九谷焼の絵付け体験をさせていただきました。九谷五彩という色鮮やかな上絵付けが特徴の九谷焼ですが、机に用意された絵の具を使って愛犬、推しキャラ、文字、お花などみんな思い思いの絵を描いていきます。まだ届いていないのですが、焼き上がりが今から楽しみです。
「ゆのくにの森」は絵付け体験の他にも手びねり、金箔はり、そば打ち、輪島塗、紙すき、蒔絵、竹細工など様々な体験ができますので、次は家族で来て1日中いろいろな体験をしてみたいと思いました。
午後からは金沢に戻り、「石川県観光物産館」で和菓子作り体験をしました。
ここで実施されている和菓子作り体験はその時々で先生となるお菓子屋さんが変わるそうで、今回は菓匠高木屋さんが教えてくださいました。今日から3月ということで、春の和生菓子3種(花かさね、ふきのとう、菜の花)を作らせていただきました。個人的には絵付け体験よりうまくできた気がするのですが、どうでしょうか…
そして最後に訪れたのは「兼六園」です。
兼六園は偕楽園、後楽園とならぶ日本三名園の一つで、加賀歴代藩主によって長い歳月をかけて形づくられてきました。
ルートに沿って見どころだけを見ると1時間くらいで回れますが、本当に広くて、ゆっくりと見て回れたらいいのになと思いました。
今回の石川研修は昨年の地震とそれに続く大雨災害の復興応援の気持ちも込めて行かせていただきました。能登半島の上の方へは行かなかったため、曲がった信号機が残されているくらいではありましたが、上の方はまだまだ復興されていないとも聞きます。私たちはその場所に行く、地域にお金を落とすというくらいしかできませんが、被災された方々には心からお悔やみ申し上げるとともに、復興を祈っております。
毎年社員旅行に行くと、「家族とも一緒にまた来たいな」と思います。研修旅行なので、本当にいろいろな要素をギュギュっと詰めてくれているので、とても学びにはなるのですが、一つ一つをゆっくりじっくり体験することができないので、復習ではないですが、「今度はゆっくり見て回りたいな」と思うところが本当に多いです。今回もやはり「家族とも一緒にまた来たいな」と思いました。いつもいつも良い経験をさせてくださる会社、社長、留守を守ってくれているスタッフのみんなに感謝です。
みなさんが奈良に来られた時も、奈良には吉野本葛という素晴らしい食材があって、葛もち、葛きり、葛湯、葛うどんの良さを知っていただけるように、今回の学びを活かしてより良い商品作り、より良いサービスに努めてまいりたいと思います。今後とも天極堂をよろしくお願いいたします。